土曜日のお昼、私は妻と一緒にリビングでのんびりと過ごしていた。
平日の忙しさとは打って変わって、休日は何も考えずにただ時間を流して過ごす瞬間が心地よい。
お昼ご飯も簡単なものを済ませ、テレビを見ながら食後のリラックスタイムに突入していた。
その日は特に何も意識せず、チャンネルをあちこち変えながら、なんとなくテレビの音を背景に流していた。
ふと、目に入ったのはオタフクソースのCM。
オタフクソースといえば、お好み焼きのソースとしては広島県を中心に定番中の定番だ。
だけどオタフクソースのCMを見るのは正直珍しい。
興味を引かれ、妻と二人でなんとなく見入ってしまった。
CMの中では、10月10日は「お好み焼きの日」であるというメッセージが大きく表示されていた。
それを見た瞬間、私は驚いて「えっ、知らなかった」とつぶやいた。
お好み焼きの日が設定されているとは思いもよらなかった。
妻も同じように驚きながら、テレビの画面を見つめていた。
なぜ10月10日が「お好み焼きの日」なのか。
興味を持った私は、スマートフォンで早速調べてみた。
出てきた答えは実にシンプルで、それがまた面白かった。
「10月10日」が「ジュージュー」と鉄板でお好み焼きを焼く音にちなんでいるというのだ。
まさかこんな語呂合わせ的な理由だとは思ってもみなかった私たちは、思わず顔を見合わせた。
そして、次の瞬間には二人して涙が出るほど笑い出してしまった。
「ジュージューって……そのまんまじゃん!」妻は笑いながら、ソファに倒れ込みそうになっていた。
私もお腹を抱えて笑った。
日常の中で、こんなちょっとしたことで大笑いできるのは、何とも言えない幸せな瞬間だ。
笑いが少し落ち着いたところで、ふと思い出したことがあった。
そういえば、昨日の夕食は広島風お好み焼きだったのだ。
広島風お好み焼きは、キャベツやそばがたっぷりと使われていて、ボリューム満点。
お好み焼き好きな私たちはよく自宅で作るのだが、昨日は特にソースの香りが強くて美味しかったことを思い出した。
「昨日、広島風お好み焼き食べたばっかりだよね」私が言うと、妻もすぐに思い出した様子で笑いながらうなずいた。
「さすがに、今日はお好み焼きいらないね」
この言葉に、また私たちは爆笑してしまった。
まさに「お好み焼きの日」だと知ったその日に、お好み焼きを食べるないのはなんだか気が引ける気がする。
10月10日というこの語呂合わせが頭にちらつく。
そのせいか、お好み焼きの香りやソースの味が、頭の中でまたふわりとよみがえってくるのだった。
お好み焼きという料理は、私たちにとって特別なものだ。
もともと、広島風と大阪風の違いなどもよく話題にするが、どちらも違った魅力があるし、どちらも大好きだ。
広島風はそばやうどんを加えてボリューム満点に仕上がるが、大阪風は具材が混ぜ合わさって、より一体感のある味わいになる。
どちらを選ぶかは、その日の気分次第。
だが、どちらも家庭で作れる手軽さと、それでいて外食に匹敵する満足感が得られるのが魅力だ。
また、お好み焼きは家族や友人とのコミュニケーションを深める料理でもある。
鉄板を囲んで、みんなで焼きながら食べるというスタイルは、自然と会話を生む。
焼く工程自体が楽しく、それぞれの焼き方やトッピングを工夫しながら食べることで、一緒に過ごす時間がより楽しいものになる。
だから、私たちは時々、お好み焼きを自宅で作ることで、まるで外食したかのような特別感を味わうのだ。
昨日も、広島風お好み焼きを焼きながら、鉄板の前で話が弾んだ。
キャベツをたっぷりと盛り、薄い生地の上にそばをのせ、最後にたっぷりのソースをかける。
その香りが広がると、食欲が一気にそそられる。
焼き上がったお好み焼きを前に、二人して「これぞ、家庭のごちそうだね」と笑顔を交わしながら食べたばかりだった。
だからこそ、今日のお昼に再び「お好み焼きの日」の話題が出た時、思わず「さすがに今日は食べないね」とお互いが笑ったのだろう。
昨日のあの満足感と、今日の「ジュージュー」にちなんだ語呂合わせが妙にツボにはまったのだ。
とはいえ、こうして笑いながら過ごす日々こそが、私たちにとって何よりの幸せだと改めて感じた。
何気ない瞬間に、笑いが生まれ、そこに思い出が積み重なる。
お好み焼きという料理を通じて、私たちの生活にまたひとつ新しいエピソードが加わったのだ。
こうした瞬間の積み重ねが、これからも私たちの日常をより豊かにしてくれるのだろう。
さて、次にお好み焼きを食べるのはいつになるのだろうか。
その時はまた、鉄板の上で「ジュージュー」と焼ける音が響き、笑顔と共に食卓が彩られるに違いない。
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